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海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、ある程度の通貨量でトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXにはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが「ADX(DMI)と移動平均線のスイングトレード」でトレードすると結果はどうなるのか?4カ月実験してみました。

「ADX(DMI)と移動平均線のスイングトレード」とは?

ADX(DMI)とは

ADX(Average Directional Movement Index)は、日本では「平均方向性指数」というテクニカル指標で1978年に「J. Welles Wilder, Jr.」が発表したテクニカル指標です。Averageを外して、DMI(Directional Movement Index)と呼ばれることもあります。

ADXの特徴は

  1. 「買い手」の強さ(買い注文が多いかどうか?)
  2. 「売り手」の強さ(売り注文が多いかどうか?)
  3. トレンドの強さ(強いトレンドが発生しているかどうか?)

の3つの指標を

  1. 「買い手」の強さ(買い注文が多いかどうか?) → +DI
  2. 「売り手」の強さ(売り注文が多いかどうか?) → -DI
  3. トレンドの強さ(強いトレンドが発生しているかどうか?) → ADX

という3本の線で示したテクニカル指標になります。

実際にMT4に表示させてみます。

インジケーターの「Average Directional Movement Index」を選択して

期間:14日
スタイル:青色・太線

+DI:緑色
-DI:オレンジ

と設定しました。

こういう形で表示されます。

ADXの見方

+DI(緑) = 「買い手」の強さ
-DI(オレンジ) = 「売り手」の強さ

を示しているので

+DI(緑)が-DI(オレンジ)よりも上にある状態 → 「買い手」優勢 ≒ 上昇トレンド
-DI(オレンジ)が+DI(緑)よりも上にある状態 → 「売り手」優勢 ≒ 下降トレンド

と判断できます。

+DI(緑)と-DI(オレンジ)が交差する → 「買い手」と「売り手」の勢力が拮抗している ≒ レンジ相場
+DI(緑)と-DI(オレンジ)が離れている → 片方の勢力が圧倒的 ≒ 強いトレンド

と言えるのです。

ADX(青)は

ADX(青)が上部にある → 強いトレンドが発生している(上昇、下降問わず)
ADX(青)が下部にある → トレンドは弱い、レンジ相場(上昇、下降問わず)
ADX(青)が上昇 → トレンドが強まっている
ADX(青)が下降 → トレンドが弱まっている

と判断されます。

一般的には

+DI(緑)が-DI(オレンジ)を下から、上へ抜いた → 「買い」シグナル
+DI(緑)が-DI(オレンジ)を上から、下へ抜いた → 「売り」シグナル
ADX(青)の傾き、方向でトレンドの強さを判断する

という使い方になります。

「ADX(DMI)と移動平均線のスイングトレード」手法とは?

では、今回の「ADX(DMI)と移動平均線のスイングトレード」では、この「ADX」「+DI」「-DI」をどうやって使うのか?解説します。

ルールその1.移動平均線でトレンドの方向性を判断する

今回のトレード手法では「ADX」と一緒に「移動平均線」を使います。

「移動平均線」で判断するのは、現在の相場が

  • 上昇トレンドか?
  • 下降トレンドか?
  • レンジ相場か?

という点です。

「移動平均線」は200MAに設定します。

200日の移動平均線ですので、緩やかな曲線になります。

  • 上向き → 上昇トレンド
  • 下向き → 下降トレンド
  • 水平 → レンジ相場

です。

「なぜ、移動平均線を用いるのか?」

というと「順張り」、つまり、「相場の方向性にある程度乗っかった方が勝率が上がるから」です。

そのために、200日という比較的長い移動平均線を表示させて、長期のトレンドを追うのです。

ルールその2.エントリーする

ここで「ADX」を使います。

ルールは簡単で

移動平均線が上昇している場合(上昇トレンド)

+DI(緑)が-DI(オレンジ)よりも上にあることを確認する
+DI(緑)の-DI(オレンジ)間でADX(青)が上向きであることを確認する

→ 「買い」エントリー

です。

+DI(緑)が-DI(オレンジ)よりも上にある → 「買い」勢力が優勢
+DI(緑)と-DI(オレンジ)の間でADX(青)が上向き → 今後「買いトレンドが強くなる」可能性が高い

+DI(緑)の-DI(オレンジ)よりも、上でADX(青)が上向きになっている場合は、すでに「トレンドが強い状態」なので伸びしろが薄いのです。そのため、「+DI(緑)と-DI(オレンジ)の間」というポジションにいるときにエントリーします。

移動平均線が下降している場合(下降トレンド)

+DI(緑)が-DI(オレンジ)よりも下にあることを確認する
+DI(緑)と-DI(オレンジ)間でADX(青)が上向きであることを確認する

→ 「売り」エントリー

です。

下降トレンドでは、逆に「売り」で勝負します。「売り手」が強いことを示すのは、「-DI(オレンジ)が+DI(緑)よりも上」の状態ですから、+DI(緑)が-DI(オレンジ)よりも下にあることを確認してエントリーします。

ADX(青)は、トレンドの強さを表す指標ですので、上昇トレンドでも、下降トレンドでも、同じ上向きになると「これからトレンドが強くなる」ことを示すので、「買い」でも、「売り」でも、同じ「上向き」でエントリーを判断するのです。

ルールその3.エグジットする

+DI(緑)と-DI(オレンジ)が交差する

→ 「エグジット」

です。

「+DI(緑)と-DI(オレンジ)が交差する」ということは、発生していたトレンドが「買い」勢力と「売り」勢力が拮抗したことで終了することを示すので、エグジットタイミングとします。

「ADX(DMI)と移動平均線のスイングトレード」のメリット

  • 「順張り」で乗っかるので確実性が高く勝率が高くなる
  • エントリーのポイントは明確
  • エグジットのポイントは明確
  • トレンド発生時は利益を伸ばしやすい
  • スイングトレードなのでPCに張り付く必要がない

「ADX(DMI)と移動平均線のスイングトレード」のデメリット

  • そこまで勝率が高くならない
  • スイングトレードなので、勝ち幅、負け幅とも大きくなるので精神的負担も大きい

「ADX(DMI)と移動平均線のスイングトレード」で注意すべきこと

移動平均線が水平のときは両方狙いに行く

基本的には「順張り」トレードですので

  • 移動平均線が上向き → 上昇トレンド → 「買い」エントリー
  • 移動平均線が下向き → 下降トレンド → 「売り」エントリー

で勝率を上げることを重視します。

しかし、移動平均線が200MAという長期のものになると

ほぼ水平

という期間が長くなることも珍しくありません。

  • 移動平均線が「ほぼ水平」 → レンジ相場

ですので「順張り」では「見送る」のが王道です。

しかし、今回は、見送りすぎるとエントリー機会が大幅に少なくなってしまうので

移動平均線が「ほぼ水平」 → レンジ相場 → ADXのサインがあれば「買い」「売り」どちらでもエントリー

としています。

勝率を上げたい方は「移動平均線が「ほぼ水平」 → レンジ相場」の場合は、エントリーを見送ると良いでしょう。

「ADX(DMI)と移動平均線のスイングトレード」実験レポート

検証条件

採用したチャート

  • 4時間足
  • 米ドル/円

採用したルール

  • 移動平均線が上昇、+DIが-DIよりも上、+DIと-DI間でADX(青)が上向きで「買い」エントリー
  • 移動平均線が下降、+DIが-DIよりも下、+DIと-DI間でADX(青)が上向きで「売り」エントリー
  • レンジ相場の場合は、どちらも実行
  • +DIと-DIが交差したら「エグジット」

検証期間

2017年7月24日~2018年1月18日

2017年7月24日~

ポジション方向「買い」
エントリー:111.704
エグジット:110.893

-81.1pips損失

ポジション方向「売り」
エントリー:109.994
エグジット:110.143

-14.9pips損失

ポジション方向「売り」
エントリー:109.803
エグジット:109.408

+39.5pips儲け

ポジション方向「売り」
エントリー:109.178
エグジット:109.156

+2.2pips儲け

ポジション方向「売り」
エントリー:108.555
エグジット:108.702

-14.7pips損失

2017年9月5日~

ポジション方向「買い」
エントリー:109.181
エグジット:110.246

+106.5pips儲け

ポジション方向「買い」
エントリー:111.935
エグジット:112.545

+61.0pips儲け

ポジション方向「買い」
エントリー:112.859
エグジット:112.699

-16.0pips損失

ポジション方向「買い」
エントリー:113.091
エグジット:112.633

-45.8pips損失

ポジション方向「買い」
エントリー:112.183
エグジット:112.59

+40.7pips儲け

2017年10月18日~

ポジション方向「買い」
エントリー:112.809
エグジット:113.683

+87.4pips儲け

ポジション方向「買い」
エントリー:114.002
エグジット:113.621

-38.1pips損失

ポジション方向「買い」
エントリー:113.678
エグジット:114.099

+42.1pips儲け

2017年11月30日~

ポジション方向「買い」
エントリー:112.563
エグジット:113.453

+89.0pips儲け

ポジション方向「売り」
エントリー:112.801
エグジット:112.215

+58.6pips儲け

ポジション方向「売り」
エントリー:112.562
エグジット:111.531

+103.1pips儲け

結果

勝敗:10勝6敗
合計:+419.5pipsの儲け

考察

勝ち幅は稼ぎやすい

勝ち幅平均:+63.0pips
負け幅平均:-35.1pips

当然、スイングトレードですので1週間程度ポジションを保有するため、デイトレードやスキャルピングよりは、勝ち幅・負け幅ともに大きくなる傾向にあります。

このぐらいの売買頻度であれば、海外FX業者のスプレッドの広さも、損益に大きな影響は与えないので海外FX向きのトレード手法とも言えます。

また、勝ち幅に余裕がある分、「エントリー」のタイミングがピンポイントである必要がありません。時間のないサラリーマンや会社員でも、1日の決まった時間にチャートをチェックして、「エントリー」タイミングの前後で「エントリー」しても良いのです。

余裕のあるトレード手法と言えます。

明確な「エントリー」「エグジット」条件

このトレード手法の良い点は

「エントリー」「エグジット」条件が明確で、誰がやっても同じポイントでトレードができる

という点です。

トレード手法の中には、投資家の判断によって成果が大きくぶれてしまうものも多いのですが、このトレード手法はエントリータイミングも、エグジットタイミングも、明確にテクニカル指標で決まってくるので、それに従ってトレードをする簡単な方法です。

初心者でも、十分に利益が狙えるトレード手法と言えます。

+DIと-DIの幅が大きいときが狙い目

精度を上げるのであれば

+DIと-DIの幅に注目しましょう。

+DIと-DIの幅が狭い → 「買い手」の強さと「売り手」の強さに大きな違いはない → 弱いトレンド
+DIと-DIの幅が広い → 「買い手」の強さと「売り手」の強さに大きな違いがある → 強いトレンド

です。

トレード機会は減ってしまいますが「+DIと-DIの幅が広い」を条件に加えれば、高い勝率が期待できるはずです。

まとめ

「ADX(DMI)と移動平均線のスイングトレード」は、10勝6敗と勝率こそ、そこそこという印象ですが、1回のトレード勝ち幅が+63.0pipsと大きい分、十分なpips数を稼ぐことができました。

しかし、スイングトレードで検証期間が長かったため、6か月の検証で+419.5pipsというのは十分な収益とは言い切れません。

1週間で+50pips稼げるデイトレード手法の方がトレードの回数も増えて、利益も大きいからです。6か月安定して運用できれば、デイトレードなら+1200pipsになる計算です。

ただ、デイトレードやスキャルピングの場合は、「タイミング」が命ですから、チャートとにらめっこしていないとできないトレード手法です。

今回のトレード手法は、利益が少ないものの、スイングトレードであり、エントリータイミングが少しずれても問題ないため、PCに張り付く時間の取れない会社員におすすめのトレード手法と言えます。エントリータイミングも、エグジットタイミングも、明確ですので初心者の方がじっくりFXを覚えるのにも、向いているトレード手法とも言えるでしょう。

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